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FX情報を掲載しているウェブサイトでは決まって
「外貨預金はお得じゃない。」
「外貨預金をするぐらいならFXの方が良い。」
と、「外貨預金よりも、FXトレードの方が良い。」とする記事を書くことが多いようです。
その理由は
外貨預金は、為替手数料1円というぼったくり商品だから。
外貨預金なら、レバレッジ1倍のFXトレードと同じだから
→ さぁ、みんなでFX口座を開設しましょう。
という趣旨になります。
しかし、実態はそうでもありません。今回は、「外貨預金とFXを比較するとFXの方がお得」とするウェブサイトに反論したいと思います。
反論その1.外貨預金の為替手数料は、だんだんと下がってきている!
確かに数年前までは
メガバンクを中心に銀行の外貨預金の為替手数料は「1ドルあたり片道1円(100銭)」でした。
1ドル=100円の為替相場で、100万円の外貨預金をした場合に
- 1万ドルを100万円で購入 → 1万円の手数料 → 手数料が引かれて9900ドル
- 9900ドルの売却 → 9900円の手数料 → 980,100円
これだと為替変動がなければ
100万円を外貨預金して、日本円として出金すると1.99%目減りして返って来てしまうのです。
たしかにこれでは
- FXの手数料:0.3銭~0.5銭
と比較すると、200倍~300倍の割高手数料になっているのです。
FXで100万円の取引をしたとしても
発生する手数料は、30円~50円ですので、外貨預金と比較すると圧倒的な安さなのです。
しかし、ネット銀行を中心に年々為替手数料は割安になってきています。
ソニー銀行の場合
為替コスト:15銭/USD
優遇プログラム Club S
シルバー:12銭/USD
ゴールド:10銭/USD
プラチナ:8銭/USD
ですから、
1ドル=100円の為替相場で、100万円の外貨預金をした場合に
- 1万ドルを100万円で購入 → 1500円の手数料 → 手数料が引かれて9985ドル
- 9985ドルの売却 → 1497円の手数料 → 997,003円
です。
まだまだ、FXと比較すると若干の割高感はありますが、それでも100万円の外貨預金であれば、3000円も手数料は発生しないのです。
優遇プログラム Club Sが「プラチナ」ランクであれば、さらにその半分の約1600円程度しかかかりません。
反論その2.FXトレードはトレードの誘惑も大きい!
FXトレードでレバレッジ1倍であれば、外貨預金と全く変わりません。
しかし、FXトレードではレバレッジは25倍まで引き上げられます。
100万円の資金があったら、2500万円分の取引が可能になります。
100万円の取引をするのであれば、証拠金は4万円で済むのです。
FXトレードの管理画面には、日々のニュース情報が流れ
FXの書籍では、短期売買のノウハウが溢れ
FX会社も頻繁に初心者向けのFXトレード口座を行っています。
短期売買が悪いわけではありませんが、外貨預金とFXを比較するのであれば「長期投資が前提」です。
FXトレードでレバレッジ1倍の長期投資をしようとした場合
意志が固い人であれば手数料が割安で良いでしょうが・・・
意思が弱い方の場合
「短期売買もしてみようかな。」
「ちょっとだけレバレッジ挙げてみようかな。」
「セミナーにだけ参加してみようかな。」
「少し儲かったから、エグジットしようかな。」
・・・
と、当初想定していなかった誘惑に駆られて、レバレッジ1倍の設定を動かしてしまうケースがあるのです。
レバレッジを上げれば、勝ち幅も倍増、負け幅も倍増ですから、勝つ分には問題ありませんが、負けてしまったら
「外貨預金にしていなかったら、無駄な誘惑がなかったのに。」
と後悔してしまうでしょう。
- FXトレード → 短期売買、為替差益を狙うための投資
- 外貨預金 → 長期投資、高金利による利息収入、資産の分散投資をを狙うための投資
と、使い勝手が異なるので、短期売買を検討していなければ、外貨預金で十分なのです。
確かに手数料の差はありますが
100万円の売買をしても、1000円~3000円の手数料の違いでしかありません。無駄な誘惑を排除する意味では「外貨預金」の方が優れているとも言えるのです。
外貨預金にも、為替差損による損失が出るリスクはありますが、レバレッジ1倍である以上、資産が0円になることはありません。また、保有し続ければ、いつの間にか元の為替レートに戻っているはずです。
米ドル円の直近10年の推移を見ても
2007年には1ドル120円台
2011年には1ドル70円台
2016年には1ドル120円台
と、変動を繰り返しながらも、上がったり、下がったりですので、レバレッジをかけなければ「いつかは戻る」物なのです。
無駄なリスクを取らないためには、FXトレードよりも、外貨預金の方が良いのです。
反論その3.外貨預金は定期預金なら高金利
外貨預金には、普通預金もあれば定期預金もあります。
定期預金はかなりの高金利に設定されています。
例えば
2017年12月時点のソニー銀行の外貨定期預金は
- 米ドル:年率2.0%
- 豪ドル:年率7.0%
- NZドル:年率7.0%
- 南アランド:年率20.0%
となっています。
FXでもスワップポイントという金利のようなものが加算されますが、ここまでの高金利設定ではありません。
つまり、外貨預金の手数料がFXよりもやや高いとしても、外貨定期預金であれば、十分に利息分でカバーできるということです。
2017年12月11日
DMM FXのスワップポイント
米ドル/円:35
100万円/レバレッジ1倍
- 1年間のスワップポイント:12,775円
- 年率:1.28%
です。
外貨預金とFXトレードの比較
1ドル=100円
金利変動なし
外貨預金の計算
100万円 → 米ドル:9985ドル(手数料15ドル)
1年間保有:9985ドル × 税引き後年率1.593% = 159.06ドル
10144.06ドル → 日本円:1012884円(手数料15.21ドル)
+12,884円
FXトレードのの計算
100万円の往復:30円(手数料0.3銭)
スワップポイント:12,775円 → 税金20%
+10,190円
となります。
レバレッジ1倍のFXトレードよりも、手数料が割安なネット銀行の外貨預金の方が投資効率が良いのです。
さらに「積み立て」や「デビットカードでの直接の外貨支払い」など、他の機能もそろっているので
- 長期の資産運用
- 高金利の利息狙い
の方は、FXトレードよりも、外貨預金の方が望ましいのです。
外貨定期預金の利息が高く、為替手数料が割安なネット銀行としては「ソニー銀行」をおすすめします。
また、東京スター銀行も外貨預金に力を入れている銀行です。最新金利を確認してみましょう。