目次
「デビットカードってみんな使っているの?」
「デビットカードって日本では最近CMを見るようになったけど、普及しているの?」
というシンプルな疑問を持つ方も少なくありません。今回は日銀がまとめたデビットカードに関するレポートを題材に現状のデビットカードについて解説します。
参考にしたデータ
日本銀行決済機構局 2017年5月「最近のデビットカードの動向について」
デビットカードなどの決済カードの国際比較
日本の決済カード保有枚数は、シンガポールに次いで世界第二位
デビットカードの保有枚数平均は3.3枚
デビットカードの決済金額は、ほぼ0円
「えっ、嘘でしょ??」
と思ってしまいますが、これは日本では「J-Debit」がデビットカードとして普及してきたからです。富士銀行が幹事になる作られた日本デビットカード推進協議会が発行したデビットカードが「J-Debit」です。
「J-Debit」は
金融機関のキャッシュカードにデビットカード機能を付与して利用できるもの
ですから、上記のデータの
デビットカードの保有枚数平均は3.3枚 ≒ キャッシュカードの保有枚数平均は3.3枚
ということを言っているのです。
反面、VISAデビットやJCBデビットなどのブランドデビットカードと比較すると「J-Debit」は圧倒的に加盟店数が少なく、知名度も低いので、誰も使わないから
デビットカードの決済金額は、ほぼ0円
となっているのです。
上記の国際データ比較で、日本のデビットカードの現状を考察するのは意味がないのです。
実際に「J-Debit」の決済金額・決済件数とも、年々下がっていっているのが現状です。
では、VISAデビットやJCBデビットなどのブランドデビットカードの現状はどうなのでしょうか?
ブランドデビットカードの発行枚数残高の推移
驚異的なスピードで発行枚数が伸びています。
2106年12月時点で500万枚を突破
驚異的なスピードで発行枚数が伸びています。今後も伸びていくのは確実だと考えられます。
決済額は約5000億円
決裁件数は1億件
一回の決済金額は約5,000円
「VISAデビット」vs「JCBデビット」比較
ブランドデビットカードのブランド別シェア
「VISAデビット」:「JCBデビット」:「銀聯デビット」
5:4:1
ぐらいの割合でやや「VISAデビット」が有利になっています。ただし、「VISAデビット」が先行して、後から「JCBデビット」が参入してきたので、「JCBデビットカード」の方がポイント還元率が高いケースが多く、年数が経過するほど「JCBデビット」が優位になる可能性があります。
「大手銀行」vs「ネット銀行」vs「地方銀行」比較
※「ネット銀行」「流通系銀行」は「その他」と記載されています。
ブランドデビットカードの業態別シェア
銀行 | 発行枚数残高 | 決済金額 | 決裁件数 |
---|---|---|---|
大手銀行 | 33.7% | 44.8% | 43.6% |
地方銀行 | 13.3% | 9.8% | 10.2% |
ネット銀行・流通系銀行 | 53.0% | 45.4% | 46.2% |
主要な指標として「決済金額」を見ると
- 大手銀行:44.8%
- 地方銀行:9.8%
- ネット銀行・流通系銀行:45.4%
となっています。
つまり、メガバンクのデビットカードよりも、ネット銀行(ソニー銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行)や流通系銀行(イオン銀行、セブン銀行)のデビットカードの方が普及しているのが現状ということです。
デビットカードは決済カードの中でメインになりうるのか?
キャッシュレス決済の状況
決済カードだけを抜き出してみれば
まだまだ、クレジットカードが一人勝ちの状況です。
ここに
- 電子マネー
- プリペイドカード
- デビットカード
が追いかけている状態です。
しかし、デビットカードの急激な伸びを見ると、今後デビットカードがクレジットカードに次ぐ、決済カードになっても、何もおかしくないのです。
デビットカード全体の利用状況
まとめ
- デビットカードは急速に伸びている
- ブランドデビットカードの登場が急激に伸びた理由
- ブランドデビットでは「VISA」が優勢だが「JCB」が追いかけている
- デビットカードの発行銀行の人気は「ネット銀行・流通系銀行」
という現状が見えてきます。
今後も、デビットカードの普及は急速に進む可能性が高いので、デビットカードの情報は常にチェックしておきましょう。